日本社会医学会
社会医学会レター
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
社会医学会レター
日本社会医学会 2006-1号 2006年10月15日発行
事務局

〒464-8601 名古屋市千種区不老町
 名古屋大学情報連携基盤センター 宮尾研究室
 Tel/FAX: 052-789-4363 mmiyao@med.nagoya-u.ac.jp

目次 ・第48回日本社会医学会総会 ご案内(第1報)
・日本社会医学会の会則が改正されました。学生会費
・第47回日本社会医学会総会のご報告
・名誉会員が推薦されました。
・会費の納入をお願いします。
・「社会医学会ニュース」へ投稿を
・「社会医学研究」にメールで投稿しましょう

第 48回日本社会医学会総会 ご案内(第1報)

企画運営委員長 久永直見(愛知教育大)
学会の主役はあなたです。あなたの積極的な参加が本学会の原動力です。
重要なお願い: 自由集会、シンポ、パネル、ワークショップ、特別報告、特別講演などのテーマをご提案下さい。企画運営委員会は、それらをできるだけ実現できるように努めます。
提案受付:学会事務局(宮尾研究室、本ページ右上囲み参照)に、FAX、電子メール、郵便のいずれも可。
提案締切:2006年11月30日

総会日時:2007年7月21日(土)13時〜22日(日)17時
開催場所:名古屋市内(未定)
開催日程:
第1日 特別講演、特別報告、シンポジウム等、自由集会、夜に交流会
第2日 総会・一般口演
理事会・評議員会、および総会日程:
理事会:7月21日(土)午前9時30分〜10時30分
評議員会:7月21日(土)午前11時〜12時 
総会:7月22日(日)午後1時〜2時
一般演題募集:
分野: (1)福祉・医療問題、(2)公衆衛生、(3)環境保健、(4)産業保健、(5)国際保健などに関する、調査、研究、実践などの報告
演題受付開始と締切:2007年5月1日〜6月15日必着
発表者の資格:非会員の演題発表も歓迎します
演題抄録提出方法:
(1)抄録の面積: A4 1ページ。余白は上下左右とも25mm。
(2)書式: 冒頭にタイトル、演者氏名、共同研究者名、所属。
(3)文字サイズはタイトル:12ポイント、本文:10ポイント。
文字間隔・段数は規定致しません。図表の挿入は可とします
演題送付先: 学会事務局(宮尾研究室、本ページ右上囲み参照)へ。
演題の審査・受理:企画運営委員会で行い、発表者にご通知します。
発表方法:講演 10分、討論 5分 合計15分
プロジェクターを使う場合:全てパワーポイント(Windows)とします。(当日口演の1時間前にCDかUSBフラッシュメモリを持参してください)資料配布:自由です。配布資料は各自でご準備下さい。
一般演題以外の特別講演等の抄録: A4 2ページまで。書式は一般演題と同じ。締切等は別途ご連絡します。
宿泊: 事務局では宿泊についてのご案内を承りません。
http://ergo.itc.nagoya-u.ac.jp/shakai-igakukai/

日本社会医学会の会則が改正されました。学生会費減額

第8条 (会費)「5000円とする」の直後に、以下の一文を挿入する。
「学生・大学院生は年額2000円とする。」
末尾に「9.2006年7月一部改正」を追加
2007年春の役員選挙にあたり、選挙管理委員が選出されました。
委員長:田村昭彦先生、委員:舟越光彦先生、野田浩夫先生

第47回日本社会医学会総会のご報告

  第47回日本社会医学会総会を振り返って
  2006.8.10企画運営委員長 樋端 規邦

 第47回日本社会医学会総会は7月22日・23日の2日間、「歴史の教訓を学び、これからの社会医学の課題を探る」をメインテーマとして徳島市で開催されました。総会にはおよそ120余名の会員や地元徳島の研究者などが参加し、2日間にわたり活発な議論が交わされました。
 本学会総会は四国で久しぶりに開催されもので、四国在住の会員数が少なく、事前の企画や運営には些か不安な要素もありましたが、全国の会員のご協力により成功裏に終了できたと感謝しています。本文では第47回総会を振り返り、会員への報告と致します。
[総会の準備]
 本総会の準備は昨年3月の事務局会議から始まりました。事務局は四国の会員の協力を得ることが難いという事前の認識から、徳島県民医連事務局へ協力依頼を行い、先ず総会事務局を発足させました。その上で、第1回企画運営委員会を昨年5月に開くことを決めましたが、四国在住の会員の折り合いがつかず、結局その後も企画運営委員会の会議は開催することができませんでした。こうした事情から、企画・運営の準備はすべて事務局会議で行うこととし、四国内会員にはご意見があればお知らせ頂くこととして、実務的な準備を先行させました。
[企画とプログラム]
 企画内容は特別講演1題、特別報告1題、シンポジウムを第1日目午後に設定し、第2日目に一般演題の口演としました。特別講演については医学史研究者の神谷昭典先生に依頼し、特別報告は四国トンネル塵肺訴訟を担当した弁護団に依頼しました。シンポジウムでは臨床現場の課題を取り上げることとし、「医療の質」を今日的にどう捉え、どのように高め、そのために何が課題となっているか?について議論して頂くこととしました。
 一般演題については、第2日目に2会場で行うことに致しました。そして過去の実績から一般演題のカテゴリーを4つに分け、4分科会としました。今回はそれぞれの分科会の冒頭に「指定口演」を設け、理事会に計ってそれぞれの分科会毎に演者を指定し、総論的な話題提供を依頼させていただきました。
 自由集会は第1日目夜に時間を確保し、最大で3会場を確保することとしました。
 なお、本総会のメインテーマについては企画運営委員長の要望を汲んで「歴史の教訓に学び、今日の社会医学の課題をさぐる」とさせて頂きました。
 開催要項の第1報は2005年11月の「社会医学会レター」に掲載しました。その後第2報は演題申し込み期限・提出期限を一部変更し、シンポジウムの意図を加えて2006年3月に第2報として社会医学会レターに再掲致しました。2006年6月には、直前の社会医学会レターにプログラムなどを掲載し、参加へのお誘いをいたしました。
[総会のあらまし]
 本総会の特別講演は明治7年の「医制」以来の我が国の医師養成制度について長く研究されて来られた神谷昭典先生に「米占領下の医(歯)学教育」と題して御講演をお願いしました。御講演では、医制から今日に至る130余年の歴史の中で、米軍占領下での改革はほぼその中間点にあたり、大きな転換期であったこと、しかしこの改革では医学教育制度が大きく変更されたものの、医学教育のあり方や大学医局制度改革はその後の課題として残されたことが述べられました。そしてそのことが後の医学部民主化闘争への土壌になったことが明らかにされました。
 特別報告では四国トンネル塵肺訴訟を担当した弁護団から川真田正憲弁護士(徳島合同法律事務所)に報告をしていただきました。川真田氏は企業の安全軽視と国の指導の不徹底が多くの被災者を生んだことを指摘し、その責任を明らかにすることの様々な困難について述べられました。
 シンポジウムでは「国民が期待する良質の医療」をテーマとして取り上げ、今日の日本における医療の『質』を高めるために何が問題か?を明らかにすることが期待されました。先ず5人の演者がそれぞれ「医療機関の役割」「医師の確保」「院内での医療安全の取り組み」「医療の質の捉え方」「医療の質の評価基準」について発言され、その後フロアからの発言も受けて、医療の質に関わる議論を深めました。夫々の演者は個々の施設(病院)における課題に基づいて発言されたもので、良質の医療を提供する上でそれぞれの医療機関における焦眉の問題意識が明らかにされました。しかし残念ながら全体として何が共通の課題なのか? 何をどのように改善するべきか? それを困難にしているのは何か? など参加者に共感を与える議論までには深められませんでした。
 今回のシンポジウムで取り上げたテーマは国民の医療要求に直接関わっており、社会的関心も高いことから、中途半端な議論に終わってしまったことは残念です。臨床系会員がもっと多ければフロアからの発言も求めてさらに深い議論が出来たのではないでしょうか。今後もこのような臨床上のテーマを当学会でももっと取り上げて議論してほしいと期待致しますが、一般診療活動の中で発生している諸問題を社会医学的視点から深めるためには一層臨床系の学会員を増やすことが必要であろうと思われます。
 第2日目の4つの分科会では、それぞれの冒頭にあらかじめ指定をさせていただいた口演者から総論的な話題をお話いただきました。第T分科会(産業衛生・労働者の健康問題)では愛知教育大学の久永直見先生が、特に東南アジアでの国際化に対応した労働衛生の必要性について報告し、我が国の豊富な経験を生かし国境を越えた多様な連携が求められていると発言されました。第2分科会(環境問題・公害・薬害)では中京大学の中川武夫先生から、公害問題は決して終息した訳ではなく、今日も引き続き重要な社会医学の課題であることが強調されました。第3分科会(一般医療・老人医療・介護保険・障害者問題)では白梅学園大学の関谷栄子先生から、主として昨年の介護保険法改定に基づいて自治体が進めている取り組みを紹介し、地域のニーズに応えられていない実状を報告されました。あわせて高齢化が一層進行する今日、高齢者の基本的要求を踏まえた多様な地域づくりの重要性について発言されました。第4分科会(公衆衛生の課題・ホームレス・学校保健・その他)では、大阪大学高鳥毛敏雄先生が前日の自由集会での発言も踏まえて、わが国における公衆衛生組織の硬直化を指摘し、イギリス・ドイツの経験を紹介しながら社会を構成する人々の変貌に則して専門職が機敏に対応できる保健活動をはぐくむことの必要性を報告されました。
 各分科会の一般口演の概略については以下のとおりでした。
 第1分科会(産業衛生・労働者の健康問題):9演題
 昨年来、大きな社会問題となったアスベスト関連の演題が3題で、広範な職域・地域にまでその被害が拡大している事実やこれからの課題について議論がされました。その他、介護・看護労働者の運動器の障害、安全にとって必須である電車運転手の眠気対策、ある事業所での加重労働と疲労蓄積およびその対応の課題、過労自殺者の分析結果からみた背景因子と自殺予防の課題、徳島県内の振動障害者における生活背景、トンネル塵肺患者が多発した背景因子についての発表がありました。
 第2分科会(環境・公害・薬害):6題
 生物製剤による薬害裁判の製薬企業だけでなく国の責任を認める判決が次々出される中で、社会的関心の高い口演がされました。薬害エイズ患者の生活調査、新薬についての報道のあり方、薬害C型肝炎における製薬企業と国の責任、ジフテリア予防注射事件の真相についての発表がそれぞれありました。
 第3分科会(一般医療・老人医療・介護保険・障害者問題):4題
 脊損患者の支援の課題、高齢者の生き甲斐、介護保険の見直しの影響、ケアプラン作成と見直しの課題について、それぞれ発表がありました。
 第4分科会(公衆衛生の課題・ホームレス・学校保健・その他):8題、
 ホームレスの実態調査や医科・歯科保健領域の支援、退院後調査結果などホームレス関連演題が4題、その他に医療技術者養成教育で被爆者の生活史調査を行った経験、被爆者健康調査の結果報告、スリランカにおける健康相談活動の報告がありました。
 その他、第1日夜に3つの自由集会((1)都市の公衆衛生活動、(2)医薬品等の被害救済制度について、(3)戦争・平和と医学・医療を考える)が準備され、それぞれの会場に多くの方々が参加されました。

[総会を振り返って]
 本総会には全国の会員あるいは会員外からも多くの口演申し込みをして頂き、当初は貧相な学会になるのではないかと心配していましただけに、質の高い学会を主催できて胸を撫で下ろした次第でした。また予想を超える多くの方々にご参加頂きました。学会員の他、中には徳島県病院薬剤師会の有志の呼びかけで多数の病院薬剤師も参加されました。総会後、これら薬剤師の方々からは薬害の実態やその影響について深く勉強する機会に恵まれていなかったので、本学会の議論に参加できたことはたいへん有意義であったと評価されました。
 本総会は徳島県民医連事務局の協力を得て、実務的には概ねスムースに運営できたと自己評価しています。ただシンポジウムについてはシンポジスト間の事前議論や座長との打ち合わせが十分であったとは言えず、また分科会の運営については座長に一任したこともあって一部で演者に失礼があったことも指摘を受けています。これらは企画運営委員会が実質的に開催できなかったなど事前の準備や不行き届きがあったためで、企画運営責任者として残念に思う次第です。そのため、一部の方々には失礼やご迷惑をお掛けしたことを心からお詫び申し上げます。
 なお、シンポジストや座長の選定については、会員外であっても社会医学会に協力して頂けそうな方に声をかけ、できるだけ地元徳島の方にも力をお借りしました。事後になりましたがその点も合わせてご報告し、ご了承いただきたい次第です。これを機に四国(徳島)の会員を増やし、社会医学会の発展に一層寄与できればと思います。
 最後に、今総会の奨励賞は次の方々の発表に対し送られたことをご報告致します。
 大阪社会医学研究所 中村賢治、他
「大阪泉南地域における石綿による健康被害問に対する大阪民医連の取り組み」
 金沢医科大学社会環境保健医学 登坂由香、他
「ある電子部品工場技術職の残業時間と疲労蓄積症状」
 東京大学大学院医学系研究科健康社会学 溝田友理、他
「薬害HIV感染被害者の生存患者とその家族への質問紙調査
 −第1報:患者の恋愛・結婚、性、挙子に関連して」
 聖徳大学短期大学部介護福祉学科 楠永敏恵、他
「在宅要介護高齢者の生きる支えについて」
 東京大学大学院医学系研究科 義平真心、他
  「東京上野周辺の路上生活者の健康状態に関する実態と認識」

名誉会員が推薦されました。

柳井勉先生 近畿   三塚武男先生 近畿
川島みどり先生 関東 溝口勲先生 関東
小倉敬一先生 関東  加須屋實先生 北陸甲信越
鈴木秀吉先生 東海  南和子先生 近畿

会費の納入をお願いします

 同封された郵便振替(00920-6-182953日本社会医学会)の用紙で、2006年度分会費と未納分を、納入してください。2007年度分の前納も歓迎です。日付の記入のない部分が未納分です。
 また、銀行振込(名古屋銀行 本店営業部普3761624 日本社会医学会)もあります。銀行の場合、口座名が会員名と異なるならば、その旨FAX(052-789-4363)やメールでご連絡ください。

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 2006年度第1号(2006年10月発行)はいかがでしたか。会員の皆さまの投稿をお願いします。

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編集委員長 山田裕一

 「社会医学研究」への投稿は、査読、改訂などを迅速化するために、原稿を電子ファイルとして以下のメール・アドレスへ送付されることを勧めます。
 u1yamada@kanazawa-med.ac.jp
電子ファイルでは、本文および表は、「MS Word」または「一太郎」を用いてください。図もGIF、TIF、JPEG、BMP、PDFで送付してください。
 なお、電子ファイルと同時に、A4紙に書かれた原稿1部(図、表を含む)を、「社会医学研究投稿原稿在中」と明記し、郵便にて下記に送付してください。
山田裕一編集委員長 〒921-0293 石川県河北郡内灘町大学1-1  金沢医科大学社会環境保健医学(衛生学)


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